研ぎ澄まされた短刀のごとき凄みの犯罪小説 『闇の歯車』 (藤沢周平 著)

講談社文庫 530円+税  藤沢周平というと、“美しい日本の伝統”を描く作家のように思われがちだ。しかし藤沢周平は海外ミステリの大ファンだった。『消えた女』にはじまる彫師伊之助シリーズは海外のハードボイルドを江戸に移植した逸品だし、初期傑作「暗殺の年輪」も刺客を描く暗黒小説の名品だった。  そんな藤沢流クライム・ノヴェルから、研ぎ澄まされた短刀のごとき凄みを放つ『闇の歯車』をご紹介したい。『レザボ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

CLOSE
CLOSE