異世界への入口をそっとのぞき見る 旅情奇譚、森見登美彦の『夜行』 CREA 2017年1月号
10年前、「鞍馬の火祭」を見物に行こうと集まった、京都の英会話スクールに通っていた6人の仲間たち。だがその夜、仲間のひとりが姿を消した。失踪した長谷川さんを忘れられなかった5人は、10年ぶりに火祭を見に集まろうと貴船の宿にやって来る。夜。祭。異世界への入口。おなじみのモチーフが13年の熟成を経て結実した作品。
森見 登美彦 小学館 1,400円仲間だった女性の失踪の謎。残された5人が旅先で同じ作家