【「少年の君」評論】深い絶望を抱えた少女の内面の微細な動きを、変幻自在なタッチと語り口で紡ぐ

冒頭とラストに「この映画がいじめ問題の抑止になることを願う云々」という趣旨の文言が出る。一見、このように社会派的な善導目的のお題目を掲げているものの、それは表層的なものにすぎず、映画を見終ると、ほろ苦くも痛切な後味が残るのだ。  進学校に通う成績優秀な少女チェン・ニェン(チョウ・ドンユィ)と社会の底辺でストリートファイトに明け暮れるしがないチンピラ、シャオベイ(イー・ヤンチェンシー)とがふとしたき

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