夫は施設へ、娘は東京に…83歳のひとり住まい“最晩年の心境”とは 2021/7/12 『にぎやかな落日』(朝倉かすみ 著)光文社 帯の文言からして他人事と思えない。「いずれ終わりはくるけれど、『今』がずうっとつづくといいね」。 主人公のおもちさんは八三歳、北海道でひとり住まい。もとは畑仕事が趣味で、とれた野菜を近所の人に配っていた。ノートに何か書くのは今も好き。持病が進み認知の衰えも出てきて、ひとり暮らしが難しくなり、高齢者専用マンションへ移る。その日々を七章にわたり、おもち