活動家を志す学生はなぜ“早稲田”ではなく“慶應”に集まるのか/文春オンライン [七波羅探題★]
1: 七波羅探題 ★ 2021/01/20(水) 14:18:58.64 ID:qPzmAgyA9
文春オンライン2021.1.20 小林 哲夫
https://bunshun.jp/articles/-/42812
歴史ある“私大の両雄”として対照的に語られることの多い慶應義塾大学と早稲田大学。両校の“色”の違いは「学生による社会運動」においてもはっきりと表れており、社会運動を志す学生は早稲田大学よりも慶應義塾大学に多いという。
■どうしても戦争したかったら、安倍内閣だけで行ってください
慶應義塾大は、私立大の入試難易度では最難関ということになっている。早稲田大との併願では、両方、合格すれば慶應を選ぶという予備校データが報じられることもあり、早稲田関係者を怒らせている。
社会運動の歴史を振り返ると、全学連の幹部などには早稲田大が多かった。だが、2010年代は、慶應義塾大のほうが多く、しかもバラエティに富んでいる。SEALDs、未来のための公共、直接行動、民青、中核派、カウンターなど、数は少ないがひととおり揃っている。
15年7月、SEALDsの国会前集会で、慶應義塾大の松山哲次さんはこうスピーチしている。
「こういうところに来ると『痛い奴』って言われます。ネットとかだと『プロ市民』と言われたりします。だけど僕は、戦争で死にたくないんです。友だちもそれで死なせたくない。まだ僕にはやりたいこといっぱいあるんです。読みたい本もある。遊びたい。安倍のために戦争で死ぬならば、このデモで死んだほうがいい。どうしても戦争したかったら、安倍内閣だけで行ってください。僕たちは止めません。自民党の人、聞いてください。あなたがた何のために政治家になったんですか。社会を良くしたいと思ったからでしょう。いま声をあげてください。国民はそこまでバカじゃないんです。国民を思うならば立ち上がれ。SEALDsのデモはメディアも『ラップ調の楽しげでオシャレなデモ いままでと違う』って言いますけど、そんなことだけで若者はやってこない。若者は本当に怒っている。本当に止めたい。若者も大人も集まっています。みんなかっこいい。ありがとうございました」
■政治活動する学生が早稲田よりも慶應に多い理由は?
なぜだろう、と探ったところで、合理的な理由を見つけることはできない。たまたま集まった、では分析にならないが、強引に理由付けするとするならば、慶應義塾大は他大学よりも総合型選抜(AO入試)、学校推薦型選抜(推薦入試)を早く導入し、学力だけでなく、さまざまな個性を持った学生を多く受け入れたからだろうか。実際、入学してすぐにビラを撒いた川口隆さん(仮名)、カウンター、安保関連法案反対デモに参加し現在は弁護士の中島康介さん(仮名)は、AO入試で入学している。
■大多数の慶應生の政治意識
もっとも、慶應義塾大の大多数の学生の政治意識は、他大学とそれほど変わらないだろう。おそらく東京大生の自民党支持率(2020年の調査結果は自民党24.6%、立憲民主党7.1%、日本維新の会3.8%、れいわ新選組2.1%だった/「東京大学新聞」の調査)とそう大差はないはずだ。
それについては、20年5月、東京で「要請したなら補償しろ」を掲げて安倍政権打倒を訴えていた慶應義塾大の田中駿介さんも指摘している。
彼が1年生のとき、英語の授業で、「憲法9条改正」を巡って賛成派、反対派に分かれて、ディベート形式での討論を行ったことがある。このとき、クラスの30人のうち、憲法9条に対して「護憲」を訴えたのは6人しかいなかった。そして、具体的な意見として「北朝鮮に対して、先制攻撃をする権利を保持すべき」「生産性がないお年寄りが少なくなれば、福祉予算を削減できる」などが出てきた。田中さんは言葉を失ったという。国際法違反の極論、優生思想そのものが、「難関」とされる入試に合格した進学校出身者から出てくる。弱者への共感がないことに田中さんは衝撃を受けた。
田中さんは、学術会議会員任命拒否問題について、学生にとっても脅威であると受け止め、こう話している。
「学者が自由に発言できないとき、学生が自由に表現できるわけがありません。これは丸山眞男のいう『抑圧の移譲』です。でも、あえていいますが、学術会議の山極壽一前会長は京大総長時代、学生寮からの寮生退去強制、立て看板撤去、機動隊導入などについて今も説明責任を果たしていません。学術会議には平和問題や性的マイノリティなどに関する提言があり意義深いが、官邸が学術会議に押し付けていることを大学当局は学生に押し付けているのではないでしょうか」
(長文の為一部抜粋)
https://bunshun.jp/articles/-/42812
歴史ある“私大の両雄”として対照的に語られることの多い慶應義塾大学と早稲田大学。両校の“色”の違いは「学生による社会運動」においてもはっきりと表れており、社会運動を志す学生は早稲田大学よりも慶應義塾大学に多いという。
■どうしても戦争したかったら、安倍内閣だけで行ってください
慶應義塾大は、私立大の入試難易度では最難関ということになっている。早稲田大との併願では、両方、合格すれば慶應を選ぶという予備校データが報じられることもあり、早稲田関係者を怒らせている。
社会運動の歴史を振り返ると、全学連の幹部などには早稲田大が多かった。だが、2010年代は、慶應義塾大のほうが多く、しかもバラエティに富んでいる。SEALDs、未来のための公共、直接行動、民青、中核派、カウンターなど、数は少ないがひととおり揃っている。
15年7月、SEALDsの国会前集会で、慶應義塾大の松山哲次さんはこうスピーチしている。
「こういうところに来ると『痛い奴』って言われます。ネットとかだと『プロ市民』と言われたりします。だけど僕は、戦争で死にたくないんです。友だちもそれで死なせたくない。まだ僕にはやりたいこといっぱいあるんです。読みたい本もある。遊びたい。安倍のために戦争で死ぬならば、このデモで死んだほうがいい。どうしても戦争したかったら、安倍内閣だけで行ってください。僕たちは止めません。自民党の人、聞いてください。あなたがた何のために政治家になったんですか。社会を良くしたいと思ったからでしょう。いま声をあげてください。国民はそこまでバカじゃないんです。国民を思うならば立ち上がれ。SEALDsのデモはメディアも『ラップ調の楽しげでオシャレなデモ いままでと違う』って言いますけど、そんなことだけで若者はやってこない。若者は本当に怒っている。本当に止めたい。若者も大人も集まっています。みんなかっこいい。ありがとうございました」
■政治活動する学生が早稲田よりも慶應に多い理由は?
なぜだろう、と探ったところで、合理的な理由を見つけることはできない。たまたま集まった、では分析にならないが、強引に理由付けするとするならば、慶應義塾大は他大学よりも総合型選抜(AO入試)、学校推薦型選抜(推薦入試)を早く導入し、学力だけでなく、さまざまな個性を持った学生を多く受け入れたからだろうか。実際、入学してすぐにビラを撒いた川口隆さん(仮名)、カウンター、安保関連法案反対デモに参加し現在は弁護士の中島康介さん(仮名)は、AO入試で入学している。
■大多数の慶應生の政治意識
もっとも、慶應義塾大の大多数の学生の政治意識は、他大学とそれほど変わらないだろう。おそらく東京大生の自民党支持率(2020年の調査結果は自民党24.6%、立憲民主党7.1%、日本維新の会3.8%、れいわ新選組2.1%だった/「東京大学新聞」の調査)とそう大差はないはずだ。
それについては、20年5月、東京で「要請したなら補償しろ」を掲げて安倍政権打倒を訴えていた慶應義塾大の田中駿介さんも指摘している。
彼が1年生のとき、英語の授業で、「憲法9条改正」を巡って賛成派、反対派に分かれて、ディベート形式での討論を行ったことがある。このとき、クラスの30人のうち、憲法9条に対して「護憲」を訴えたのは6人しかいなかった。そして、具体的な意見として「北朝鮮に対して、先制攻撃をする権利を保持すべき」「生産性がないお年寄りが少なくなれば、福祉予算を削減できる」などが出てきた。田中さんは言葉を失ったという。国際法違反の極論、優生思想そのものが、「難関」とされる入試に合格した進学校出身者から出てくる。弱者への共感がないことに田中さんは衝撃を受けた。
田中さんは、学術会議会員任命拒否問題について、学生にとっても脅威であると受け止め、こう話している。
「学者が自由に発言できないとき、学生が自由に表現できるわけがありません。これは丸山眞男のいう『抑圧の移譲』です。でも、あえていいますが、学術会議の山極壽一前会長は京大総長時代、学生寮からの寮生退去強制、立て看板撤去、機動隊導入などについて今も説明責任を果たしていません。学術会議には平和問題や性的マイノリティなどに関する提言があり意義深いが、官邸が学術会議に押し付けていることを大学当局は学生に押し付けているのではないでしょうか」
(長文の為一部抜粋)
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