【中西進さんと行く 流浪する英雄の物語~源氏物語】「明石」「須磨」光源氏、精神の死と再生

千年の昔、紫式部が執筆した「源氏物語」。容姿と才能に優れた光源氏の愛欲と苦悩を描く平安期の王朝物語であり、日本が世界に誇る古典文学の最高峰だ。  全54帖からなる超大作の中で、「須磨」(十二帖)「明石」(十三帖)から筆を起こしたとされる。琵琶湖畔の石山寺で、湖水に映った十五夜の月から物語の着想を得た筆者は、まず須磨・明石から書きとどめたと、14世紀の注釈書「河海抄(かかいしょう)」は伝える。  政

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