ひいじいちゃんの「しわしわの指」が物語っていた戦争の怖さや辛さ

目の前には、壁に貼られた世界地図があった。しわしわの指が、日本と真珠湾をいったりきたりなぞるように、たまにアメリカ大陸に寄り道もする。まるで、指が話しているみたいに。わたしの視線は、しわしわの指からまっしろい壁に。何度聞いたか分からない、何度目をそらしたか分からない。隣にいる父にも、目の前にいる祖母にも、あの指は語りかけていない。わたしに語りかけている、あのしわしわの指。 こちらもおすすめ:背中

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

CLOSE
CLOSE