【「君が世界のはじまり」評論】思春期の世界を再構築する営みに、令和日本の風が吹く

好きという気持ちをうまく伝えられないもどかしさ。文学であれ映画であれ“青春”と冠される作品でたびたび描かれてきた感情。「君が世界のはじまり」の登場人物たちも同じ思いを抱えるが、本作の魅力を語ろうとする時も、それに近いもどかしさを覚えてしまう。  「おいしい家族」で長編監督デビューを果たした1991年生まれ、大阪府茨木市出身のふくだももこによる第2作。彼女が自身の体験を反映させて書いたであろう小説2

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