テーパードスリムパンツの悲劇 ― もう、なくしてしまった服 ―

10代後半、物凄く太っていた。背がぐんぐん伸びていた成長期を経て、16歳になって身長がほぼ頭打ちになったとき、行き場を失ったカロリーは今度は横に伸張し始めた。背は止まっても食欲は止まらない。常に次の食事のことばかり考えている大食漢の目方はK点超えを更新し続けた。  その最初の被害者が、あのテーパードスリムパンツだった。濃紺のコットン素材で、股上たっぷりの腰部分には2本のタックが入っていた。太もも部

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