一つ一つのセリフからにじみ出る哲学 『頑固じいさんとしあわせな時間』【コラム 映画再見】9

とにかく台詞がふるっている。どこにでもある日常の中の何気ない一言にスパイスが効いていて、時に涙がこぼれるような哲学が詰まっている。フィンランド映画『頑固じいさんとしあわせな時間』(ティーナ・リュミ監督、2018年)を見ていると、心の波が凪いでいく。 妻に先立たれた一人の老人。ぶっきらぼうな物言いと自分を曲げない頑固な性格で、葬儀に集まった家族とも疎遠。息子とは犬猿の仲だ。もう妻を追って死にたいと自

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