阿蘇「無辺」の記憶(4)絵描きの庭 いつか再び絵筆を握る [熊本県]

熊本地震発生後、南阿蘇村の写真家長野良市さんが阿蘇の被災地を回って撮影を続け、被害報告シリーズの写真集「ゼロの阿蘇」（一般社団法人九州学び舎発行）を出し始めたころ、大分県日田市在住の画家伊藤忠雄さん（８５）は道路が寸断された状況下、阿蘇を目指していた。「地震で被害が出たというが、阿蘇大橋が崩れたと聞いても想像ができない。『俺の庭』と思っている阿蘇の様子を確かめようと、すぐ車で向かった。しかし途中で