「ぼくは頭が悪いから仕方ない」と居直るぼっちゃんと“ご学友”になった少年の友情物語 2019/10/27 世の新刊書評欄では取り上げられない、5年前・10年前の傑作、あるいはスルーされてしまった傑作から、徹夜必至の面白本を、熱くお勧めします。 ◆ ◆ ◆ 『苦心の学友』(佐々木邦 著) 友情ってなんだろう。 戦前の「少年倶楽部」に連載されて好評を博した佐々木邦『苦心の学友』は、少年同士の心のつながりを描いた明朗な青春小説だ。 ある日を境に内藤正三少年の生活は一変する。内藤家が祖父の代まで仕え