【コラム】飾らない食卓に宿る記憶 映画「お料理帖 ~息子に遺す記憶のレシピ~」

言葉は記憶の底からたぐり寄せられる。認知症の母親の話は支離滅裂のようだが、彼女の中では完結している。会話する息子が、母親のすべてを知らないというだけだ。だが、母親が書き留めていた一冊の料理帖が、親子が共有する記憶の土台を掘り起こす。韓国映画『お料理帖 ~息子に遺す記憶のレシピ~』が公開されている。 惣菜店を切り盛りしながら、二人の子どもを育てたエラン。息子のギュヒョンは万年非常勤講師。大学教授の職

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