中国でシリーズ2100万部以上を突破した『三体』は“謎のあるSF”だった 2019/9/11 『三体』(劉慈欣 著/大森望、光吉さくら、ワン・チャイ 訳) 私は主にミステリー小説を書いているが、SF作家の友人も何人かいて、SFとミステリーの関係性や組み合わせの可能性を時々彼らと議論する。組み合わせはふたつある。一つは「SFの設定を持つミステリー」、もう一つは「謎のあるSF」だ。前者はミステリーのような事件と構造に、宇宙船や近未来、タイムトラベルなどよく知られたSF要素を加える。後者は冒